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戦争の根回し〜アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』

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 戦争は突然起こる、という話を聞いたのは動画で観た「TED」の講演。ジャーナリストさんがご自分の体験を語っていたように思う。いつものようにショッピングをしていた大通りに、突然、轟音をたて、戦車がやってきた。日常はプツッと切れて、戦時下に早変わり。恋人や家族、友達が楽しく歩いていた道に武器を持った兵士が現れ、今まで、と、これから、に明確な境界線が引かれる。

 

 今日たまたま、昔買った雑誌(なんと「通販生活」)に挿絵付きで『戦争プロパガンダ10の法則』が載っているページにぶち当たった。目的は別にあったのにそんなこと忘れて夢中で読んでた。絵だけじゃなくて、心に響くように言葉も少しリライトしてあった。後述で本当の本文も載ってたけど、どちらも同じくらい考えさせられた。

 

(1)「われわれは戦争をしたくはない」
(2)「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
(3)「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
(4)「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
(5)「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
(6)「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
(7)「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
(8)「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
(9)「われわれの大義は神聖なものである」
(10)「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

 

 ひとつひとつが、というわけではない。改めて、考えなきゃと思った。戦争は、始まってしまった時点で、日常はなくなる。始まる前と始まってからは大きく違うのだ。そして始めるためには、始めたい人が、綿密に日常の中で準備し始めている。

 『戦争プロパガンダ10の法則』は、戦争はしたくない、に始まって、(戦争はしたくないと考える者は)裏切り者で終わっているのである。

 

 

ロシアとの緊張関係が高まっているスウェーデンが、戦争を含む有事の対応マニュアルを記したパンフレットを約470万の全世帯に配布する準備をしていることがわかった。複数の海外メディアが報じた。5月に発行される見込みだ。

スウェーデン 、戦争への備えを国民に呼びかけ 高まるロシアとの緊張関係

The Huffington Post Japan,