「誰のための国作りぞ。とくとお考えあれ」松平春獄@「八重の桜」
「歪んでおる。あなた方の作る新しい国は、踏み出したその一歩から既に歪んでおる。誰のための国作りぞ。とくとお考えあれ」
2013年大河ドラマ「八重の桜」レビューブログに書かれている松平春獄が岩倉具視、木戸孝允に言った台詞が、現代のニュースを観てると何度も浮かんでくる。上記の台詞は、子供達が戦乱に巻き込まれ命を落とす回で発せられたらしい。
例えば、私が今朝見たニュースを一例に。介護認定で介護支援がなくなる、ということでサービスを受ける高齢者さんがインタビューを受けているところ。2013年夏の参議院選で再び政権交代した後のニュースと、新しい国づくりが始まろうとするの時期が重なるのである。会津主体のドラマの趣旨を差し引いても、幕末では「会津」や子供達を犠牲にし、現代では、高齢者を犠牲にするのか。
政治を安定させようとする意図が「幕末」からも「現代」からもはっきり伝わってくる。そのための犠牲は止むなしと言わんばかりに。
「歪んでおる。あなた方の作る新しい国は、踏み出したその一歩から既に歪んでおる。誰のための国作りぞ。とくとお考えあれ」
どこの政党を擁護するとか、幕末の誰を贔屓するとか、それはまた別問題。たくさんの問題を抱える現状で、やるべき立場にいる人たちが、聞くべき言葉なのだと思ったりする。それは政治だけでなく、さまざまなことを対処するときの基準として考えるべき正論なのだと思う。
記しておこう。
会津を犠牲にする国づくりが史実としてあるならば、きっと、史実として原子力発電所があるせいで(あるいはその関連で)失われた命という犠牲があったことは等しく記されるだろうと。1つの命と、全体の命、比べるものではないのだ。
この台詞って、陸前高田出身の俳優が発したことも興味深いな、と思う。
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