水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

税金。みんな希望を託しているんだから

 たこ焼き屋にて。

 おばちゃんが一舟分のたこやきを差し出してくれる。私は、小銭を渡す。これは、大阪によくある、交換の光景である。私が子供だった頃もやってたし、今だって頻繁にやっている。粉もんやめられまへん。

 マヨネーズが少ないなあ、と思っても、出した小銭の範囲内。でも、1玉足りないと、文句ぶーぶー。まあ、そんなことはほとんどない。逆に、嬉しいプレゼントがあることも。

「売れ残ってなあ、おまけ、入れといたるわー」

 焦げ目キツメで、固くなったたこ焼きが好きな関西人も少なくない。ちゃんとタコはいってるし。

 

 個人的に(地味に)気になってるニュースがある。2013年6月6日に成立した、「消費税転嫁法」である。2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げられる消費税で、中小企業が下請けいじめにあわないために立場の強い小売業が仕入れ先の中小企業に増税分の価格転嫁を拒否するのを防ぐ目的。広告表現に規制がはいり、負担を減らすために税抜き表示もオKで、悪質なところは取り締まるとか、なんたら。

 で、大企業側も、いろいろ対応を決めかねているらしく、想像するに水面下の駆け引きが真っ盛りと言ったところか。

 サービスや商品に対価が払われ、税金が差し引かれる。まるで空気みたいに行われているのは、先ほどのたこ焼き屋での一幕と同じ。でも、それ以外の付加されていることだってある。

 ドラマや映画でも、交通機関で「お医者さまはいませんか」かいう声に反応する場面があるもんだ。さまざまな職業の方が、必要とされたとき、自分から申し出る光景が物語りの中にはある。が、観ている側は案外、違和感を持たない。

 2013年の1月頃、教師の駆け込み退職が話題になり、とあるタレントさんが番組で自分の母親が該当した、と話しておられた。誰もが納得できる金銭的な事情もあり早期退職を望まれたが、無償で、最後まで学校に行きたいと申し出てそうだ。でも、制度的に叶わなかったという話を聞いた。詳しいことは理解できなかったが、お母様が最後まで生徒を見捨てるつもりなぞないのは伺いしれた。

 

 たこ焼き屋さんの話に戻る。ホンマに、売れ残ったたこ焼き、オマケしてくれる店はある。都市伝説でもなんでもなくて、私は何度も何度も経験した。んで、また行こうと思ったりするのだ。

 で、そのナイスな店が、消費税上がるし、材料代もきついし、でも値段あげたくないから、1玉減らすな、と言われたら、なんかしゃーないと、思わされてしまうかも知れないのである。心の中で、ブーブーいいながらもだろうけど。きっとまた、売れ残り、オマケしてくれるんちゃうん、みたいな、希望も含めてね。

   

 

 

 

下請けいじめ防止」-消費税転嫁法成立-

http://www.corporate-legal.jp/houmu_news1257/