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正しい設問なんてあったのかい?「安藤美姫選手出産アンケートについて」

 

 フィギュアスケートの才能に恵まれた一人の女性が出産した。彼女はそれを公表した。オリンピックも目指すという。

 

2013年07月04日

安藤美姫選手出産アンケートについて

 現在、「週刊文春」メルマガ読者の皆さんにお願いしている「緊急アンケート 安藤美姫選手の出産を支持しますか?」について、抗議のご意見を多数いただいております。

 

 女性の出産という大変デリケートな問題にもかかわらず、設問を「出産を支持しますか?」「子育てしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」としてしまったために、出産そのものを否定したり、働きながら子育てをすることを批判しているような印象をあたえてしまいました。その点については、編集長の私の責任です。このアンケートに関して不快な思いを抱かれたすべての方にお詫び申し上げます。

 

 今回のアンケートは中止させていただきます。ご回答をいただいた皆様にお詫び申し上げます。

 

週刊文春」編集長 新谷 学

 

 

 世論というものがある。

世界大百科事典 第2版の解説

よろん【世論 public opinion】  

[歴史]

 世論は以前は〈輿論〉と表記され,古来,中国で輿(かご)かきのような庶民が政事について述べる意見や議論を意味した。表記が簡略化されて現在のように〈世論〉と改められるに従い,今日では〈せろん〉と発音され,世間一般の論と解されることも多い。また明治以降,この語が欧米の政治理論におけるpublic opinionの訳語として公論と並んで用いられるに従い,そこに政治が準拠すべき公衆publicの意見だとか世論調査に表れた有権者の態度だとかの欧米政治理論の意味がつけ加わり,その内容は多様化している。

 

 

 

 個人的なんだけど、今回の文春さんのアンケート、女性の出産だけじゃないものを感じるのだな。オリンピックが、とか、安藤選手が、とか、出産とか、お母さんってのが、とかで、こうでなきゃいけない、みたいなのが漠然とあって、その漠然としたエリアから出てしまった行為だと認識する方がいて、世論は自分の味方だから、メルマガ読者さんがそれを裏付けしてくれるぜ、とか、思っちゃった気がする。

 いろんな考え方があるのは、自由だ。

 自分の意見を正当化したくなるのも、我が身にしみるよ、うん。

 でも、アンケートは反対も賛成もある程度あり、賛成は多いけど、反対もあるのだということもできる。全体の1割が反対(賛成)なら、10人に一人は反対(賛成)とか、詭弁も使える。メールマガジンの読者だけのアンケートってあったけど、統計の分析は比較対象することにより推論づけられる。じゃあ、女性アスリートさんだけでアンケートをとってみたらどうだろう、とか。

 

 話がたぶんに飛びまくったけど、マスコミって世論をつくることをしちゃいけないと思うんだ。だから「安藤選手が」が設問になった地点で、マスコミのアンケートじゃなくなってる。このアンケートに対する抗議の意見を分析したら、もっと私たちの声が反映されてる世論が見えてくるような気がしたりする。