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水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

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「かさをささないシランさん」読後の思考が夏の夜を眠れなくするかも。

今週のお題「夏に読みたい1冊」

 「かさをささないシランさん」は、リア充の一般的な男性が、雨の日に傘をささなかったことが理由で逮捕されて、監禁されてしまう物語を描いた絵本である。先に言っておくと、最後にはちゃんと希望がある。

 

 読了後。

 そこそこ高学年の感受性の鋭い子供さん以上の年齢の方なら、きっと、自分の身にあてはめ、シャレになんないことを思い知り、考えさせられると思う。すばらしい挿絵がグルグル思考といっしょに出てきて、胸が熱くなる場合があるかもしれない。

 

 雨の日に傘をささないという理由での逮捕は、多数派と違うことをしたら排除される世界を想定している、とか。

 ニュースの中の悲劇的な出来事を「他人事」にしちゃってることへの猛省とか。

 

 いろんなことを考えてるうちに、はた気づくことがある。

 

 シランさんの、雨の日に傘をささないことと同じような「好き」が自分にもあるってこと。で、それが理由で逮捕されたらどうしよう。

 

 私は、幼い頃にこの本に出会い、ストレートに身震いした。大人になって再読したときはリアリティを感じ身震いした。きっとこの本はそういう仕組みになっているのだと思う。絵本は普通、大人になって読めば、距離を感じることが多い。だが、「かさをささないシランさん」は、大人になり再読すれば、物語と現実がそう違わないことに気づき、考えさえられる。

 

 夏の夜は、この絵本を読むのにとても良い季節だと思う。 

 

  

 

 

 

かさをささないシランさん 感想 谷川 俊太郎,アムネスティ・インターナショナル - 読書メーター