ああ、たまらん。「えび満月」が大好きです。
「好きなお菓子ってある?」
ジャズの生演奏を聴かせてくれるお店にて。ミュージシャンたちはすぐ間近。演奏が終わってMCタイム、ボーカルさんがピアノやベース、ドラムの方々に、この質問をしていた。
私はカクテルを飲みながらほろ酔い。少しばかり気取っていた。演奏者さんたちの会話は続く。「そんなん聞いたら、年齢わかるやん」「あ、塩昆布?」という掛け合いは関西ノリでテンポがいい。大人な空間なはずなのに、みなさんやんちゃだ。
ああ、なんで観客に聞いてくんないのだ?
関西では客いじりも立派な芸、と、酔っ払い気味の私の頭にグルグル答えが浮かんでいた。そう、私の答えはただひとつ。
えび満月!!
あの塩味!えびの風味!のりの風合い!そしてアンサンブルなあの食感。
その上に、以下のwikiからの引用が示す通りの、美しい世界観。
海老満月 - 乾燥エビをそのままの姿で使用。海草をあしらい一つの世界を作る。丸に成形されることから海老満月と称する。
食べるのと、見るのと、交互に楽しめるお菓子なのである。えびの入っていない1枚にハズレを覚え、大きなえびがガッツリ入っていたらアタリの気分。ネットで確認できなかったが、歴史も古いに違いない。さらに最近は、コンビニのプライベートブランドのお菓子にもラインナップされてるので、24時間食べられる場合だってあるのである。
受け継がれるものが少なくなってきている中、確実に受け継がれてきた心地よい塩味と風味。そして、白い丸のキャンパスの中の、ランダムでナチュラルなオレンジと緑のアートは、想像力をかき立てたりする。
だが食べる方がアート性に勝るときがある。
そのときは、3枚、4枚と分厚くつい、重ね食べをしてしまう。口に入れれば、これがまた、軽い歯ごたえと、1枚の時には感じられないダイナミックな風味が味わえて、再び重ね食べとしてしまい、あっという間に1袋、制覇してしまったりする。
どうも表現が大げさだが、お許しいただけたら助かります。
ちなみに。本日のおやつは、えび満月の予定です。