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コロナ禍の道すがら 〜現在地からマスクのある風景を眺めみる

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 スーパーのレジの近くで、5枚198円のマスクが売られていた。メイドインチャイナ、「日本マスク工業会」のマークはない。デザインの少ない包装で、マスクの中身がよくわかる。どノーマルな「プリーツ型」。ちなみに、プリーツとは、洋服の折ひだのことで、衣服に立体感をつけるためにつけられたもの。もうひとつ有名なのは、「立体型」。防塵マスクのような形である。

 ただマスクのことだけで、知識がいっぱい増えた。。

 不織布マスクとガーゼマスク。ガーゼマスクは給食用のマスクという名前で売っていたのを見かけた。ようするに布マスク。我が家にも国から三密を避けるチラシと一緒に届いた。不織布マスクの不織布は、ふしょくふ、と読む。案外歴史があって、1920年代、ドイツのフェルト業者が毛くずなどを接着剤で固めたものだそうだ。通気性、ろ過性、保温性などの基本特性があるということらしい。

 不織布をマスクにする発想はどこからはは見つからなかったが、2001年、医療向けだった使い捨て不織布製を一般向けに販売したのが玉川衛材とのこと。「7DAYマスク」は花粉症のときによくお世話になった。他より少し価格が安く、耳が痛くなく、息がしやすい記憶がある。

 

 コロナ禍の中、スーパーに入るのも、マスク装着推奨。花粉症だから、風邪気味だからという以前の問題で、毎日持ち歩く。値段高騰の時期はひと段落だが、以前の価格にはならず、さりとて、つけ心地が良いものを、通気性のいいものをとも思う。

 最近買うマスクの販売元をみてると、知らない会社が多い。知名度は「7DAYマスク」の玉川衛材もなかったと思うが、長い歴史と、専門の会社としての製品だったように思う。マスクの必須度が格段に上がった現在、多くの会社による発売はありがたいが、マスクひとつとっても、ものづくりとして丁寧に積み上げてきた会社があるのだろうということも、考えておきたくなる。

 商品は飽和するとデザインが豊富になるという。だがまだ、それ以前。性能の良い製品や、業種にあったもの、用途にあったものなどたくさん出るだろう。また、必須だからこそ、普及しやすい価格帯のものも期待したい。

 新型コロナウイルスについては、ワクチンもなく、対応する社会システムもない、まだ道すがらだ。いつかインフルエンザのように、数日休むことで、仕事に復帰できるような距離感も(それがうまく機能しているかは別として)ない。

 だが、マスクのある風景は、コロナ禍以前とはまったく別次元になっていると思う。