水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

プロフェッショナルが撲滅される日

 広告を作りたいけど相場いくらくらい?と聞いてこられたことがあった。全くのアマチュアさんではない。何度も印刷やデザイン事務所と仕事をされてきた方だ。

「いや、ボク、ほとんど原稿作って渡したんだよね。でもほとんどそのままやったから、あの金額は高いと思って」

 何でも出来る人だよ、という情報をいただいて応対したので、お話をしっかりお聞きしてデザインワークでお金がかかる場合とかからない場合のご説明をしてみた。そのままのデザインも印刷に適応してなかったら作り直しだし、イメージを壊さないように微妙な調整した可能性もある。逆に、原稿がしっかりしているから、ディレクターの指示もと、新人デザイナーさんが仕事をされた可能性だったあることもお話した。ただ、実際のところは推測にしかすぎないのだけど。

 どこの企業さんも大変で、広告に対して費用対効果を高めたい。いい会社、いいデザイナーに頼んでも、効果が薄ければ価値がないのである。逆に、知人の誰かに安くでたのんだものがうまく行けば、そっちの方が喜ばしい。

 

 プロと同じだけの成果を出す人たちはもっと、これからもっと増えていくと思う。努力が実った結果であり、喜ばしいことでもある。私自身も独学派だし、デザインの仕事は、アイデアのフィールドだと、学校で学んでいる若い生徒さんたちもライバルだと思っておかないといけない。

 

「学びたい、全ての人へ」creiveより

http://creive.me/archives/2896/

 

 

 でも、どこか何か、よくわからないものに対し抗っている自分がいる。

 プレゼンテーション、最後の山場のときだった。大量の出力紙を深夜に残業してスタッフ一同が製本する。「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ、今日は深夜の製本だ〜♪」でも「楽しいな、楽しいな」である(ちなみにこんなバカやるのが私である)。

 意気盛んなリーダーさんと、気を利かして飲み物を買ってきてくれるサブリーダーさん。「おつかれさまでした〜」と三々五々に帰宅するときの充実感。家族への迷惑も背負いつつ、その経験によって育まれたものの大きさは今も残っている。独学し、成果をだすことの素晴らしさにプラスされる経験がプロをつくるのだ。

 中島みゆきさんの「地上の星」が流れてきそうな世界は、実は成功してナンボでもある。そんな世界も、成功がなければ、曲は流れない。

 そう、そんな世界はなくとも。「地上の星」が流れなくとも。

 実は、同じだけの成果が出せればいいのだ。

 

 それでも、割り切れない思いはいっぱいある。自分だって費用対効果を考える側に回ることがあるのはよくわかっている。

 

 でも、だ。

 

オードリーさんぜひ会ってほしい人がいるんです!

http://www.ctv.co.jp/audrey/

 

 大阪で観れない番組だが、Youtubeで楽しめる。その一編に、コンビニでお客様に上手におつりを渡す店員さんが登場した。

 お客様の手に触れることなく、お客様の手から小銭がこぼれないように、でも着実に渡す手慣れた仕草に、思わず感心してしまった。これらの一連の仕草がへたくそな店員さんが多い店だと、やっぱり印象が悪くなる。

 それでも完璧な店員さんロボットがいて、ちょっとイケメンか美人だったら、プロフェッショナルな人間さんは撲滅されてしまうのかも知れないけど。

 

 今、一部のスーパーではセルフレジが導入されている。それでもレジスタッフさんのいるレジもあるのである。

 

 

 http://minamishinshu.jp/news/education/阿智高でサテライト講座始まる~予備校の授業を.html