水がある限り金魚は泳ぐ

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「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の鑑賞をしたんですけどね。

 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の鑑賞をしたんですけどね。

 この場合「ですけどね」ってつけるところが個人的なこだわりだったりする。「おもしろかったんですけどね」「全然否定的じゃないんですけどね」。

 実写版の「進撃の巨人」の方は、「ですけどね」はいらないから、振り子が振り切れているわけだが、スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の方は「・・・」がついてしまう。

 

 だってね、続きはみたいわけっす。

 でもね。

 炭素冷凍されたハン・ソロの映像に衝撃を受け、次の公開いつなん?とたまらん気持ちになったほどじゃないかもーって。

 

 そそ、「スターウォーズ」はシンプルにオモシロイ映画の代名詞なのだと気づく。ファン層も広く、ハズレがなくて、好きな登場人物がそこそこ見つけられる、なんだかディズニー的な映画。今回ディズニーが40億ドルでルーカスフィルムを買収したと伝えられているけれど、スターウォーズ」は、もともと、ワクワクできて、雑談のネタにもできて、グッズも買えて、独自のこだわりをつくり堪能もできる、オモシロイ映画というジャンルのトップクラスだということだと思うのだ。

 

 2016 1月18日の「SMAP×SMAP」(スマスマ)は緊急生放送があった。SMAPさんは解散騒動をもってして、たくさんの人に影響を与えている芸能人の代名詞として認知されたと思う。歌手とか役者とかそういうカテゴリじゃないのだ。同じように、「スターウォーズ」はもはや代名詞なのだと「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観て思い知らされた気がする。

  だからね、普通に映画を語るように好きなシーンを語るのも楽しいんだけど、なんか社会現象の中のひとつの派閥の意見のような分類を表明しているような気分になるんだよな。映画は楽しかったし、時間を忘れて見入ったのは間違いないのだけど。

 

 でも、代名詞を味わえる「幸せ」は充分感じた。

 名勝負を生で見るような。生歌とか、生声とかに匹敵する。スターウォーズ」はもはやそういうもんなのである。それは間違いない。

 

 ・・・そこに、「お金」の匂いがあるんだけどね。

 

 かといって、消費する側も、半端なものにお金は出さない。ディズニーさんもエイブラハムさんも、そこんとこはとても良く知っている部類だとつくづく思う。お金の価値を知っているといってもいい。だから生半可な作品を作らないだろうし、オモシロイのは間違いないんですけどね。

 

 でも、どこかで、夢や冒険が先にあって、それを実現するために、制作陣が知恵と労力を注ぎ込み、良い作品をつくろう、勢いみたいなものが、代名詞になるとなくなってしまうのだな、と。

 

 リ・ブートというジャンルがある。

スパイダーマン」「ファンタスティック・フォー」などの新鮮な作品も新しい俳優を得てガンガン作品になっている。これは、代名詞を利用して客層を広げるという発想もあるけど、世界観を広げ、もういちど「先に夢や冒険」からはじめてみようという試みなのかも知れないと考えるのは少々脱線か。

 

 いやはや、新ドロイド「BB-8」はカワイイ。これから成長していこうというレイさんは、未完成の主人公という気がして、きっと、全作見終わったときに新作を代表するキャラクターになってくれると予感させる。その反面、意外と興味を(個人的に)引かなかったのが、カイロ・レンくん。ダークサイドに存在するまでの経緯をスターウォーズ的な展開で説明する小道具にさえ見えていた。シリーズが進む毎に全く違う姿をみせてくれなきゃ、つまんないよ、と思ったりも。

 

 ま、面白かったです。

 そして心底、観れて良かったと思う。そして、これまでのストーリーをほとんど把握することなく観たツレは、映画として楽しんで、相関関係をなんとか把握する作業も味わっていた。やはり、優秀な映画。