水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

「サイク/名探偵はサイキック」息のあった漫才コンビを見る愉しみと似ている。

 ショーンとガスの二人組、コンビ名は「サイク」である。(←嘘)

 Psych - Season 2 Gag Reel - YouTube

 

 「サイク〜名探偵はサイキック」は、海外ドラマではある。よーく聞いてみると、主人公のショーンは、THE MENTALIST / メンタリストの捜査ファイルのパトリック・ジェーンと能力が一緒なのである。並外れた観察眼と推理力!ただ、パトリック・ジェーンは、サイキックなどいない、という立場で、サイキックかと思うような答えを導き出し周囲を驚嘆させるが、「サイク」のショーン・スペンサーは違う。

 

 ・推理を披露するときは、必ずといってもいいほど、こめかみに手をあてる。

 ・パッと閃いた!という顔をする。←犯人がわかっているにも関わらず。

 (同時に、親友ガス、および、レギュラー陣はあきれ顔をする)

 ・「視えた!」「霊が教えてくれた!」「聴こえてくる声がある!」などの前置き。

 ・ベッタベタの、オーバーアクション付きの推理を披露。

 

 登場人物の刑事とガスの会話にこんな感じのがある。

刑事「ショーンには、犯人がわかったのか」

ガス「そうみたいですね」

(ショーン、こめかみに手をあてはじめている)

刑事「あれをやらないと、推理を話せないのか?」

ガス「そうみたいですね」

 

 ガスはどんなときも、最後にはショーンを肯定する。ショーンがサイキックっぽくあることないこと話始めれば、それに話を合わせてあげるし、バレれば、一緒に逃げるし、呆れていても最後までそれにつきあう。謝るときは、一緒に謝り、泥までかぶらされてしまうこともしばしば。

 そんなガスをショーンは執拗に必要とする。ショーンが能力を発揮すれば、ガスがいる必要がないし、ガスもそれを知っているのに、いつだってショーンにはガスに側にいて欲しいと思っている。

 

 「オードリー」という漫才コンビが認知度を高めた「M-1グランプリ」。ツッコミ若林正恭さんのブログ(休止中?)に、準優勝となった漫才のことが書かれていた覚えがある。失敗する春日さんのボケを、若林さんがナチュラルに笑いに変えていたのは、普段の舞台で、普通にあることだったから、ということらしい。緊張で失敗したからでもなく、大舞台を切り抜けたからではなく。

 若林さんが、春日さんのフォローに慣れていることもあるが、春日さんも若林さんがフォローするのをよく知っているはずなのだ。想定できることなら、次の対応もしやすい、受け取りやすい球の投げ合いのようなものである。

 アドレナリン満開の大舞台を成功させたのは、お互いを理解しあっている息のあった関係から来ているような気がしている。

 

 「サイク」のお二人、ショーンとガス、始終一緒に行動している。人並み外れた能力を持つショーンは、一人ででもやっていけるのに、ガスをいつも追い回している。ガスはガスで、ショーンにつきあってしまっている。

 

 お互い、わかっていて一緒にいる。

 息のあった漫才コンビのように。そして息のあった漫才は見ているだけで、笑顔になり幸せな気分にしてくれるのである。

 

 

(おまけ)「サイク」プロモーションビデオ

その1  シンプル・マインズの「ドント・ユー」を再現

その2 ダリル・ホール&ジョン・オーツの「プライベート・アイズ」を再現