水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

それについては、熱くなる問題ではないのである。

今週のお題「2013 日本の夏」

 

 人はいろんなところで並ぶ。 

 最近も、常連さんのように行ってるコンビニで新しくレジが開いたところに商品を出そうとしたら、目線でニコニコと、あちらへってな感じで指示された。「すいません」の言葉と一緒に。レジがかなり混み合っていて、陳列棚の間でお客さんが一列に並んでいるのである。「オッケオッケ〜」とばかりに列の一番最後へ。店員さんがんばっていて、あれよあれと列は消えていった。

 

 この光景で思い出すのは、久米宏さんの司会、ニュースステーションという番組の金曜日版の1コーナーである。月〜木は普通の報道番組だったが、金曜日に至ってはバラエティ番組みたいで結構楽しく観れた。

 番組の1コーナーに「世直しエイド」があった。

 今では時代を感じさせる3台の公衆電話に並ぶ光景。長電話の方の後ろにも列があれば、スピーディに消化される列もあった。

 もし、自分が長電話側の列に並んじゃったら。

 長電話されてる方にも理由があるのかも知れないが横の列の後方にいた人が、電話まで辿り着いて用事済ませているのを見たら。

 やっぱ、感情がじんわり、沸点に近づいてくる。

 

 そんなことにならないよう、列は1つに。

 列の先頭にいる人は空いた公衆電話を使っていこう!

 番組からの提案は昔からあっても浸透してないような慣習を掘り下げて広めていく効果があったと思う。コンビニのレジはもちろん、トイレだって有効。

 

 なーんとなく思うのだ。1列で並んでいる人は、3列で並んでいる人よりも優しくなれたんじゃないかって。

 いろんな事情があってみんな、並んでいる。でもお互いの事情なんてわかんないから、自分の理由が優先してしまう。でも、自分の後ろに並んだ人が自分よりもはやく電話に行くのを横目で見なくても済むだけでも、感情は穏やかな温度を維持できるはずだ。

 

 2013年の夏は「経験したことのない暑さ」だと報道されている。ただでさえ暑い夏で、沸点にすぐ到達しちゃって世の中を暑くしても仕方ない。

 

 馴染みのコンビニの馴染みのスタッフさんが、お客様を待たせまいとがんばってる。コンビニ側のサービスのひとつかも知れないが、そんなのは二の次だ。前に人がいても、穏やかに列に並ぼう。2013年は選挙の夏でもある。沸点下げて怒らなきゃなんないことは、他にいっぱいあるのだからさ。