水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

ゴミ焼却施設は大人の社会見学には絶好の場所だと思う。

 市のゴミ焼却施設に、壊れた座椅子を持ち込んだ。

 係の方に「初めて?」って聞かれる。初めてである。車で並ぶ。結構時間がかかる。ウチは座椅子ひとつ。でも、トラックいっぱいに、自転車やら椅子やら玩具やら積んでいる方がいる。車ごと体重測定。どうやら、車と運転者さんの重量引いたゴミの重さが料金になる。道路には矢印が記され、それに従い焼却施設に。中はキレイである。それに、広い。働いている方は粉塵を吸わないためのマスクをされていたりする。案内も細かく、みなさん、ホンマもんの接客業とは内容が違うが、私たちが迷ったり戸惑ったりしないように気を配ってくれていた。接客としてもプロだと思った。

 そして、自分ちのゴミを捨てる焼却場に到着。まず、目に入ったのは大量のペットボトルが粉砕器のようなものに集められる様である。ペットボトルの空の音がして吸い込まれて行く。リサイクルの準備である。

 ペットボトルを眺めている間に、ウチの順番が来て座椅子を手で運ぶ。ポッカリ空いた大きな穴に座椅子を放り投げる。大型ゴミは全部、無造作に捨てられ、もう、ぎっしりだ。しかし、ウチの座椅子を含めた穴をぎっしりにしたゴミは、小さなシャベルに集められた一部でしかなかったようで、さらに地下には、山のようなゴミが打ち捨てられているらしいのである(私はみれなかった)。

 

 でも想像した。脈絡ないけど、戦争映画ででてくる死体の山。もひとつ、想像した。今、私たちがいるのは、2つの市の焼却施設。たった2つだ。だが、大阪全体なら。関西全体なら。日本全体なら。視点をどんどん広げれば、今日1日分だけでも大概なゴミの量。リサイクルしても、リユースしても、追いついてない気がする。

 

 実感する。否定しようのない、現代社会って奴。

 ゴミ焼却施設は大人の社会見学には絶好の場所だと思う。

 

 

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http://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle.html