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「根の深い木」〜「読み書き」は出来て当り前じゃないということ。

 

 「識字」は、リテラシー(literacy)の訳語と言われているそうである。そのまま訳せば「読み書きの能力」。この識字に「率」をつけた統計がある。「国別の識字率」。初等教育を終えた年齢、15歳以上の人口について定義される。国と第一言語がほとんど一致している国にいると実感できない部分もあるけど、母語(幼少より自然に使っている言葉、という定義)が定義らしい。wikiによれば世界の識字率は75%。それより高い国もあれば、当然下回る国もある。

識字率」という統計が成立してるって、ようするに、文字を知ってる人が100%じゃないってことなんだよね。それを知ったのはおそらく10代の前半だったと私は記憶してる。小学生だったか、中学生だったか覚えてないけど、小学生だった気さえするほど幼かった。本当に衝撃だった。「当然と思っていることは実はそうではない場合がある」の中の上位にランクだな。今ならわかるんだけどね、世界には、「0」は存在しない。「100」もだ。

 「根の深い木」は、韓国で2011年10月5日〜12月22日にかけ放送された史劇。主人公の名前がタイトルロールではないのに、24話で完結するのは、主なテーマが「ハングル」創世におかれ、登場人物がそのテーマを中心に描かれる構成だからだろう。「ハングル」という新しい文字を生み出そうとする勢力とそれに反対する勢力が、どちらも「理」のある論点を展開し、せめぎあっていく。その論点のひとつに、文字を読み書きできることの「是非」がある。

 主人公であるハン・ソッキュ氏は、韓国の作品を日本に知らしめるきっかけを作った映画の主演俳優さん。スケールの大きな仕事をした俳優の青年時代を、ソン・ジュンギ氏が演じたことが興味深い。女性のような顔の若い実力派俳優は、今どんどん頭角を現している。もう一人の主人公、チャン・ヒョク氏は、グイグイドラマを引っ張る。アクションが目立つが細かい表現も見逃せない。

 登場人物たちはそれぞれの理由で対立する側に立ち、登場人物に感情移入はすることになるだろう。しかし、登場人物の選択は「是非」の烙印を押される物語ではないようだ。

 主人公がテーマではない物語だからこそ、「是非」が論じれる。「0」でもなく「100」でもない答えを自分なりに持つべきだと、思ったりするのである。

 

 

 

根の深い木 韓国歴史ヒストリア 

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