「銀河ヒッチハイク・ガイド」日常はセコいから宇宙規模の考え方は実用に向かん。
5年前からお役所には、地球を潰すと掲示してあったらしいのである。そのお役所は、市役所でも県庁でも国会でもなくて、宇宙の全てを統括するお役所。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」サイエンスフィクションである。
木を見て森をみろ、大局を見ろ、小さい悩みは吹っ飛ぶぞ。頭ではわかっているけれど雑事に追われて目の前のことに精一杯なのが人間てもんさ。いろんなものを棚にあげて上げすぎて棚が落っこちそうな、棚上げ状態。地球のどこかで戦争が起こってるのも棚上げしてるのに、宇宙のことまで考えてるはずがない。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」コメディなSFである。
我が家にも市役所から印刷物が届く。市からのお知らせは市の掲示板には掲示してある。同じよに、宇宙の掲示板には「地球」を潰すと掲示してあったのである。
目の前の雑事に追われて、宇宙の掲示板を見てない地球人は一瞬で死ぬしかない。ある女性ジャーナリストが戦乱の国で、戦争が始まる瞬間を紹介してくれたのを思い出してしまってた。
「道をいつものように歩いているとね、戦争が始まるの。ほんの一秒前まではいつもと同じだったのに、いつのまにか街に兵士がいて戦車がいるの」
いつもが突然、ブッ潰れる。ってことだな。
(ちなみにどこの国でも戦争の始まりは似たりよったりらしい)
連想が迷走気味だなと自分でも思いつつ、「ダウンダウン」の初期の漫才を思い出した。答えだけあった問題のないクイズがあり、世の中にはいろんな「あ」がある。「あ」っていうのは、驚きでもあり、叫びだったりもする。
ちなみに、この映画、キャスティングが案外スゴいのだ。主人公は振り回され型のパジャマ姿。ハイテンション演技に定評のある俳優は頭が2つ、腕が3本。ヒロインは姉が海外ドラマでタイトルロールを演じるチャーミングな女優。ちなみに、まめ知識?現代版シャーロックホームズの振り回され役ワトスンくんが主人公の現在のはまり役でもある。豪華すぐる声だけの出演は超一流のベテラン俳優。いや、すごいのなんの。
もし宇宙規模で物事を考え、毎日かかさず宇宙のお役所の掲示板を見に行っていたら、地球は生き残ったかもしれないが、生憎、宇宙規模で物事を考えてないから遺言書も書けないのが地球人だったりした映画。でも、サイエンスフェクションの基本の一つとして、存在には、その存在を作ったものが存在し、存在を作った者も、それを作ったものが存在する、という無限ループな上位概念が落としどころである。
ただ実際、宇宙規模で物事を考えてたら仕事にもイケナイし、上位概念とは話もできないし、どうにもこうにも使えないじゃないかな。ただどうにもこうにも使えないから、暢気に見れるコメディになっている。
宇宙一陰気なロボット、マーヴィンくんは、人に広めたくなるキャラクターなのささ。ふう〜。
銀河ヒッチハイク・ガイド (2005年)【英・米】
http://www016.upp.so-net.ne.jp/konekoneko-dou/eiga13_ginnga.html
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