水がある限り金魚は泳ぐ

本と読書と映画とドラマ、そして雑文。

ある脚本家の伝えたいことを想像する〜「3年A組」と「ニッポンノワール」

あまりにも荒唐無稽と思える物語の中にある現実は、私たちが生きている現実とそう違わない、と思えるかどうか。そんなことを考えながら武藤 将吾さんの描くドラマを見ようと試みていた。 3年A組-今から皆さんは、人質です- ニッポンノワール-刑事Yの反乱- …

オペレーションクロマイト〜成功という結果に含まれる負の空席に座る男たちの戦争〜

ハリウッド映画以外の映画をみるのは、世界を広げる作業だと思う。私は朝鮮戦争を語れるほど詳しくないし、感情移入ができるわけでもない。名優リーアムニーソンが立っているだけで語るその存在感を楽しむことくらいできる映画ファンで、マッカーサーを知っ…

「M-1グランプリ2018」〜あれれという違和感の中で起こった地殻変動と愛おしい時間〜

あれれ、なんだかお客さんが重いような・・。数年ぶりに最初から見始めた「M-1グランプリ2018」。今田さんと上戸さんが登場してから気づいて、見取り図さんの漫才が始まってからは確信になった。会場が重い。ついさっきまで、くまだまさしさんが前説やってい…

擬態シナリオ

どうしたら上手くいくかを考えて動くと歯抜けのようなわだかまりが生まれてた。上手くいくようにするのと、満足を味わうのとは違う。そしてなんとか上手くいかせられても、疲れが残ることさえある。 かといって、満足を優先し、失敗の確率を増やして、本当に…

主観に関する私考

主観というものについて懐疑的になるのは間違ったことではない。寧ろ疑うべきだ、果たして自分で考えたかどうか。ただし手法としてである。他人の受け売りの部分に気づくことこそ、いつしか失ってしまった自分を取り戻すチャンスだ。 完全な客観性などは存在…

「残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-」〜ミルカ、ミナイカ ミエナイカ

背中を向いていると聞こえる、掃除をするような音のする部屋。橋本愛演じる久保さんの手紙を雑誌編集者から受け取った竹内結子扮する、作家である私。いつのまにか二人は共に行動するようになり、久保さんが住んでいる部屋での現象は、部屋ではなく、場所に…

「ウルフ・オブ ウォール・ストリート」〜良いも悪いも人生には結果が伴う。

この作品の大きな特長は3時間あることだと思う。 ジョーダン・ベルフォードには、セールスという特技がもともとあったんだと思う。それをブラックマンデーとマシューマコノヒー(ブローカーの先輩役・ゲスト出演っぽい)に見事に捻じ曲げられ、一直線に教え…

「エイリアンVS.プレデター」 〜人類ではない生き物たちの定義

映画には人類以外の生物がよく出てくる。その人類以外を創造したのが、人類だったりする。だから映画の中にでてくる人類以外の生き物もまた人類の一側面じゃないだろうか、と思ったりする。 卵からでてきた、カブトガニのやわらかいのが、人の顔にはりついて…

ペンタブで模写&アレンジ〜アメリカンフットボール編

ペンタブレットでお絵かき3作めは、アメリカンフットボール。こんなん描けるのか、と思ってたけど積み重ねてると絵は出来てくるもんだ。失敗してもデジタルだから消していけるもんね。 ヘルメットの詳細が下絵の写真から読み取れず、資料を探して線を整理。…

大杉漣さんへ。楽しい日々をありがとう、これからもよろしくです。

一番最近、大杉漣さんの声を聞いたのは、「ROOKIES (ルーキーズ) 」というドラマの校長先生の役だった。姿を観たのはよくわからないが、すぐ思いついたのは地獄大使のお姿だった。でも、役を固定なんかできない役者さんだ。 何をやってもその役者さんだった…

サーカス観に行ってきた〜横っ面からハッピードリームサーカス

円形テントの円形舞台、一番端っこの自由席からサーカスを楽しんできた。その名も「ハッピードリームサーカス」!日本人もいればロシアやコロンビア、フィリピンの方などワールドワイドなショータイム。 一番安い自由席140名限定のベンチシート、真横から観…

映画「羊の木」アンバランスこそ、人間

殺人を犯して服役していた6人が漁村に転入してきた。主人公は、錦戸亮さん演じる月末くん。市役所職員。登場人物が多いのに無駄のない流れ方、転入者の性格がかいまみれる端的なセリフ。前半は、「演出のうまさ」を強烈に感じてしまった。人を不安にさせる…

「超高速!参勤交代リターンズ」時代劇の楽しさ、ギュギュッと濃縮!

原作も読んだ!1作目も観た!そしてリターンズ、2作目だ! 超高速の参勤交代っていう、この映画の見所はちょっぴり薄まったけど代わりにぎっしり詰まっていたのは時代劇の楽しさである。 敵味方と言えど剣に生きる者同士は熱い! 寺脇康文さんと渡辺裕之さ…

ランチは一番安いカップ麺で〜この国大丈夫?

コンビ二にもスーパーでも必ずといってもいいくらいインスタントラーメン売り場に置いてある「自社ブランド系カップ麺」。スーパーのライフの場合は「しょうゆヌードル78円」。ファミリーマートのカップ麺はは132円のシリーズがある。 正確に調べたわけじ…

貴女に勝てる女性はそんなにいないから〜小泉今日子さんに託すあれこれ

私たちは既に、彼女に何かを託してきた。 だから、その延長上で考えてもいいのではないか、と思うのである。 小泉今日子さんのことである。 その延長上とは、歌やコラムや映画やドラマで見た彼女に、私たちは自分と重ね合わせていろんなことを考えてきた。彼…

ペンタブお描き、はじめました。〜まだまだ習作、壁にぶちあたりまくり

去年の買い物納めは、ペンタブレット。今年のチャレンジ初めもペンタブレットである。広告見てると、簡単に描けそうだけど、簡単に描けないのはわかってて手を出した。案の定、画面を見ながら絵を描くことから馴染めない。 試し書きをなんどかやって、やっと…

「42 ~世界を変えた男~」ハリソンフォードの熱い闘いにうっとりした。

ハリソンフォードは、ドジャースの重役ブランチ・リッキー氏を演じている。特殊メイクをしてたらしいほどの変身っぷり。ワンマンでじい様な経営者である。ほとんどの場面は自分のお部屋で重役椅子に座ってる。部下はいつも立ちんぼだ。 タイトルロールの背番…

毎度恒例、お参りしたら「おみくじ」をやる!

今週のお題「ゲン担ぎ」 1月4日くらいだったかな、今年は、あまり出歩かなくなった父を車に乗せて、地元の神社に初詣。久しぶりだから四方八方をみて、父は思い出を語ってた。秋祭りの賑やかな土地柄、私もだんじりを思い出す。そして、お参りのあとは、半…

「彼女」のことを考えるべきだ〜ニュースの中の人物描写

女流という言葉が残っているほど、その職業はまだ女性の数が少ない、という話を聞いたばかりである。広岡浅子さんの活躍を語る落語家さんは自ら、「我々の職業はまだ」と女性の落語家さんを女流という言葉でくくっていると言っていた。真っ先に浮かんだのは…

「101回めふ乃寄席」落語を愉しんできた!

「101回めふ乃寄席」に行ってきた。14時開演、当日受付で。でも空いてたわけじゃない。満員御礼。運が良かったかもである。 会場の「めふの間」がある「ピピアめふ」は商業・住宅・公益施設とある通り、今日は1995年の阪神・淡路大震災に関わる写真展示をあ…

高騰した野菜の、その後の展開

鍋の季節である。でもなかなか土鍋が出せない。というのは、材料を買えないからだ。白菜、大根が特に。 2018年1月27日土曜日のNHK、関西のニュースより。大阪の中央卸売市場の情報である。 特に深刻なのが葉物野菜です。 ▼九州や和歌山産などのダイコ…

転ばぬように歩こう。〜雪が降ったアスファルトの道で

この町で雪が降るのは珍しい。 22時を回って降り立った最寄駅、アーチ状の橋が歩きにくい。ゆっくり小さく歩こうかと思ったが、かかとからつま先へ重心移動しながらいつも通り歩くことにした。結構、普通に進む。自転車を押して進む人とすれちがう。 転ば…

他愛はないけど、その日は過去と未来がごちゃまぜだった。

いつもと同じように仕事してたら、ずっと前に返事しっぱなしの案件がいきなり戻ってきた。その案件は、最近仕事場から去った人が、私につなげてくれたもので、とてもややこしい案件でもあった。 その案件をどうやったらクリアできるか。 新しい人を探すしか…

戦争の根回し〜アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』

戦争は突然起こる、という話を聞いたのは動画で観た「TED」の講演。ジャーナリストさんがご自分の体験を語っていたように思う。いつものようにショッピングをしていた大通りに、突然、轟音をたて、戦車がやってきた。日常はプツッと切れて、戦時下に早変わり…

エイミー・アッカーさんにワクワク〜海外ドラマ「The Gifted」より

Amy Louise Acker、エイミー・アッカーさん。日本では「パーソン・オブ・インタレスト」のルート役で有名なアメリカの女優さんである。私が初めて観たのは「エンジェル」という作品で、デヴィット・ボレアナスさん主演だった。心を病んだ少女のような女性で…

生きる望み〜脳の進化は可能らしい

脳は生まれてから思春期くらいで完成して、後は神経細胞が脱落していく。良くないタンパク質とかがくっついてダメになるらしいんだけど、ともかく、加齢による現象は避けようがないと考えるしかない。 脳は謎だらけ。でも、最近はいろんな研究者が、脳はあな…

「大阪くらしの今昔館」〜かわらないもののすみか〜

「大阪くらしの今昔館」に行ってきた。 大坂の町がすっぽり再現された屋内の展示である。人が多くて私はカメラで撮影をしまくってて本当なら観光気分になってもいいのに、実はタイムスリップを味わってた。つまりはこの時代の息吹が感じられるような展示にな…

勇気をくれるおばあちゃん〜小説「平成猿蟹合戦図」から

まるで実在の人物のように、しばしば勇気をくれるおばあちゃんがいる。 小説「平成猿蟹合戦図」に出てくるサワおばあちゃんだ。調べたら96歳ってある。小説は群像劇で、登場人物はそれは魅力的なのだけど、サワさんは特別なのだ。 年下(もちろんご高齢)…

社会派小説の実写化ルート〜虚構を通してみえる現実

「悪貨」というドラマを観ている。最終回のあらすじを知りつつ。原作は島田雅彦氏。及川光博さんと黒木メイサさんに、なんとなくお気に入りの林遣都さん、なぜだかお気に入りの高橋克実さん。偏ったキャスト紹介である。 全てを背負わされてしまうミッチーの…

お金のやりくり、他でなんとかするの「闇」

消費税がアップするときに、それを利用した不正に関しては摘発するようなことをニュースで言っていたのを今も覚えている。そして、やっと、ニュースがでてきた。 スーパーホテルに勧告=消費増税分不払い -公取委2017年02月22日 17時45分 時事通信 国内に1…